作品のデータ
Title | Bay Blues |
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Artist | OZRO SAURUS |
Release | 1998/10/01 |
Label | POLYSTAR / PSCR-5715 (FUTURE SHOCK / FSK 007) |
Link | Amazonで確認 / 配信リンク |
レビュー
『Bay Blues』は、横浜を代表するヒップホップ・ユニットOZROSAURUS(オジロザウルス)が1998年にリリースしたシングル。代表作『ROLLIN’ 045』(2001年)以前の、初期オジロザウルスを象徴する重要な作品。
タイトル曲「Bay Blues」は、日本語ラップのクラシックとして語り継がれる一曲。前年にリリースされた『ライム・ダーツ』でもMC MACCHOのスキルとオリジナリティは十分に感じられたが、まだ粗削りな部分が目立っていた。それに比べて「Bay Blues」では、フローもリリックも一段と洗練され、当時のシーンでも突出した完成度を示していた。
初めて聴いたときには、港町ブルース的な情緒をまとったヒップホップという印象を受けたが、実際のリリックはより普遍的で、都会に生きる若者の葛藤や乾きをブルース的な感覚で描き出している。リリース時期から逆算すると、制作当時のMACCHOは二十歳前後。若くしてこれほどのリリックを書けたラッパーは、当時の日本でも稀有な存在だったといえる。
トラックはブルースを感じさせるソウル・サンプリングを軸に、ゆったりとしながらも重みのあるビートが鳴り響き、MACCHOの抑制された力強いフロウを際立たせている。派手さはないが、オジロザウルスの初期を代表する楽曲として、今もなおシーンで語り継がれている。
4曲目に収録されている「命のメロディ~遠い記憶Ⅲ」は、PMXプロデュース。PMXらしいメロウなトラックが印象的。個人的には、オジロザウルスとデスペラードのスプリット・シングル『DOUBLE IMPACT E.P.Ⅱ』に収録されているDJ TOMOプロデュースの「命のメロディー」の方が好み。ヒップホップらしい重厚なキックドラムとスネアが特徴的なトラック。
収録曲
- 鉄の意志
- (MACCHO/TOMO)
- Produced by DJ TOMO
- どつぼ
- (MACCHO/TOMO)
- Produced by DJ TOMO
- Bay Blues
- (MACCHO/TOMO)
- Produced by DJ TOMO
- 命のメロディ~遠い記憶Ⅲ
- (MACCHO/ASATO/PMX)
- Produced by PMX aka Pubb Daddy for DSC Management
- Guitar: T.Sadoi
- Bass: Hiroki
- Chorus: Asato
クレジット
- All tracks engineered and mixed by Yousuke Nozawa
- 2nd Engineer: Osamu Takemura except track 1 by Toshihiko Miyoshi
- All tracks recorded and mixed at LDK Studio
- except track 1 recorded at Cell Note Studio, mixed at HAL Studio
- Dope mastering by Hiromichi Takiguchi at JVC Mastering Center