作品のデータ
Title | Luv(sic) Hexalogy |
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Artist | Nujabes feat. Shing02 |
Release | 2015/12/09 |
Label | Hydeout Productions / HPD18 |
Link | Amazonで確認 / 配信リンク |
レビュー
世界的評価を受ける日本のビートメイカーNujabes(ヌジャベス)が、英語と日本語を自在に操るバイリンガル・ラッパーのShing02(シンゴツー)とタッグを組んで生み出した『Luv(sic)』シリーズ。『Luv(sic) Hexalogy』は、そのシリーズ6部作すべてを収録した完全盤として、2015年にリリースされた作品。
Nujabes(ヌジャベス)は、日本を代表するヒップホップ・プロデューサー。ジャズやソウルの音源を巧みに取り入れた独自のサウンドは、世界中で高い評価を受ける。2010年に交通事故により36歳の若さで急逝したが、Nujabesの心地よくも切ないビートは「ローファイ・ヒップホップ」の先駆けとして今も愛されている。
Shing02(シンゴツー)は、日米を拠点に活動するラッパー、プロデューサー。1990年代からアンダーグラウンド・ヒップホップシーンで注目され、独自のフロウと思想的なリリックで評価を得てきた。日本語と英語を自在に操る表現力で国境を超えたファンを魅了し続けている。
『Luv(sic)』シリーズは、音楽プロデューサーのNujabesとラッパーのShing02による全6部構成の連作。その始まりは、「音楽の女神に宛てて書いた手紙」というコンセプトで作られた「Luv(sic)」。2001年に「Luv(sic)」がリリースされて以降、10年以上にわたり続編が制作され、Nujabesの急逝を経て、2013年に最終章「Part 6」で完結を迎えた。
シリーズの魅力の核となるのは、Nujabesの叙情的なビートとShing02の詩的なリリックの融合。Nujabesはジャズを基調にしたサンプリングと柔らかなビートで、都会的でありながら、どこか温かく、懐かしい気持ちを呼び起こすサウンドを構築した。そこに重なるShing02の言葉は、恋愛の感情を入口としつつ、やがて言葉と音楽の力、人と人をつなぐもの、芸術の意味といった普遍的なテーマへと広がっていく。
『Luv(sic)』シリーズは、当時のヒップホップによく見られたストリート色を強調した表現とは違い、穏やかで叙情的なアプローチを提示した。そのスタイルは後の「ローファイ・ヒップホップ」ブームにも影響を与え、いまなお世界中のリスナーに愛され続けている。時を超えて響き続ける普遍的なクラシック。
Luv(sic)
2001年リリース。Shing02が音楽に対する片思いを綴った楽曲。サンプリングされたピアノ・ループが印象的。1stアルバム『緑黄色人種』で注目を集めたShing02に対して、Nujabesはブレイク前で容姿も国籍も名前の読み方も不明な謎の存在だった。
Luv(sic) Part 2
2002年リリース。ブラジルの歌手、Ivan Lins(イヴァン・リンス)の「Qualquer Dia」をサンプリングした メロウで温かみのあるトラックが美しい。一連のLuv(sic)の中で、日本では最も人気が高い楽曲だが、広く知れ渡ったのは、2003年にNujabesが主宰するレーベルの1stコンピ『Hyde Out Productions First Collection』やNujabesの1stアルバム『Metaphorical Music』がヒットした後。
Luv(sic) Part 3
2005年に発表された、Nujabesの2ndアルバム『Modal Soul』に収録。アニメ『サムライチャンプルー』の放映がアメリカでも始まり、楽曲提供をした、Nujabesの音楽が国際的に認知され出した頃のリリースだったため、アメリカでは、Part 3の人気が突出して高い。切なさを感じさせる哀愁を帯びたトラック。『Luv(sic) Hexalogy』に収録されているのは、ボーカルを録音し直して2015年にリリースされたシングル・バージョン。
Luv(sic) Part 4
2011年リリース。Nujabes急逝後に発表された、後半3部作の始まりで、テーマは「出会い」。同時進行で制作された「Part 4」と「Part 5」は、選び抜かれたサンプルとUyama Hirotoによる生音を組み合わせて作られた。「Part 4」は、心地よい穏やかさの中にノスタルジーを感じさせるサウンドで、個人的には一番のお気に入り。
Luv(sic) Part 5
2012年リリース。「別れ」がテーマ。トラックも喪失感を感じさせる悲しいトーンで作られていて、シリアスな雰囲気がある。2バース目のリリックは、Nujabesの死を知ったShing02が、Nujabesへ宛てて書いたものらしい。『Luv(sic) Hexalogy』がリリースされてこの曲の良さが分かった。後半3部作を繋げて聴くと素晴らしい。
Luv(sic) Grand Finale / Part 6
2013年リリース。テーマは「再会」。Nujabesの携帯に残された曲をShing02がUyama Hirotoと仕上げた、シリーズの最後を締めくくる終楽章。Uyama Hirotoが作ったポジティブな雰囲気の「Uyama Hiroto Remix」を使って、シリーズ唯一のオフィシャルPVが作られた。
収録曲
Disc 1
- Luv(sic)
- written by Shing02
- produced by Nujabes
- scratches by DJ Top Bill
- Luv(sic) Part 2
- written by Shing02
- produced by Nujabes
- scratches by DJ DAI-NASTY
- Luv(sic) Part 3
- written by Shing02
- produced by Nujabes
- scratches by SPIN MASTER A-1
- Luv(sic) Part 4
- written by Shing02
- produced by Nujabes
- arrange and sax by Uyama Hiroto
- scratches by DJ Icewater
- Luv(sic) Part 5
- written by Shing02
- produced by Nujabes
- all instruments by Uyama Hiroto
- scratches by SPIN MASTER A-1
- Luv(sic) Grand Finale
- written by Shing02
- produced by Nujabes
- edit by Uyama Hiroto
- scratches by dj kou
- harp by Rebekah Raff
- Luv(sic) 12" Remix
- written by Shing02
- produced by Nujabes
- scratches by DJ Top Bill
- Luv(sic) Part 2 Acoustica
- written by Shing02
- produced by haruka nakamura
- sax by Uyama Hiroto
- chorus by Janis Crunch
- percussion by kousuke tomita
- Luv(sic) Part 3 Ta-ku Remix
- written by Shing02
- produced by Ta-ku
- Luv(sic) Part 4 LASTorder Remix
- written by Shing02
- produced by LASTorder
- additional vocal by aoi
- Luv(sic) Part 5 Jumpster Remix
- written by Shing02
- produced by Jumpster
- Luv(sic) Part 6 Uyama Hiroto Remix
- written by Shing02
- produced by Uyama Hiroto
- scratches by dj kou
- Perfect Circle
- written by Shing02
- produced by Nujabes
- scratches by dj kou
Disc 2
- Instrumentals
クレジット
- produced by Nujabes
- written by Shing02
- mastered by Ryota Hayashida (IROHA STUDIO)
- except 3,9,13 by Masayo Takise (M's Disk Mastering)
- A&R: mao (hydeout Productions)
- artwork by SYU
- calligraphy by Futou Tomioka